改善したきっかけ
当社は、半導体製造企業です。
定形作業の時間削減が課題だった。またRPAは信用できるシステムにならなかった。
前任者は専任だったため手作業で集計を行っていたが、退職となり現任者に業務が移管された。
その際に現任者は多忙で、編集作業を別の会議中に行うなど、単純な定型作業でありながら業務実行の障害となっていた。 そういった業務は多種多様にあり、会社として業務改善の切り札としてRPAが導入された。
RPAはプログラミング自体は直感的で理解しやすいが、故に細かな対応が困難であるとともに、処理自体が遅いことや、ライセンス費用が高いこと、ライセンスの制約で使用可能なPCが限定されること、他のRPA作業とのバッティングで自由に処理が実行できないこと、そのPC自体がWindows updateなどで実行できないケースが多々あることなど、当初想定外の環境面の課題が山積して信用して使えないことが分かってきた。
・提携作業の時間削減を行いたいがRPAでは困難
改善した方法
ExcelのVBAの機能を利用した
Excel VBAとは
Visual Basic for Applications (VBA) for Office を使用すると、これらの作業を実行し、さらにそれ以上のことを実現できます。VBA for Office は、単純でありながら強力なプログラミング言語であり、Office アプリケーションを拡張するために使用できます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/overview/excel
集約作業を自動化した
週報の集約作業をVBAマクロで自動化した。
それまでは8部署それぞれの長さ、項目数、文字数でばらばらだった週報を内容を見ながら1つのファイルに手作業でコピペし、行数を確認して提出していた。
当初はRPAで自動化をしたが、処理時間が遅く途中でエラーになることもあり、そして何といってもライセンス費用がかさむ割に散発的にしか利用できないため、VBAで処理することに変更した。
8部署の週報のフォーマットを統一し、サマリと詳細をそれぞれコピペするVBAマクロを作成し、手作業で20分かかる作業を5分程度に短縮した。8部署の週報は指定のフォルダに指定のファイル名で提出させ、処理はワンボタンで実行できるようにし、日付入力と行数チェックを自動化し、集約後のセル高さ調整や提出先フォルダも自動で生成させている。
評価
適切な改善ができ、課題は解決することができた
今後の目標
突発的なトラブルに対応する方法を検討する
当初RPAで対策するために、要件や処理フローを整理する必要があり、その際に手順自体の標準化を図ることができた。
その結果、VBA化を担当者に委託する際もスムーズに移行できた。Excel固有の課題としては、セル結合や共有の有無、行数の増減があったが、それぞれルール化するとともにチェック機能を設けて根気強くフィードバックしてお願いした結果、運用上は改善されている。
ただしRPAでもVBAでも、部署名の変更や増減に伴う処理フローの改変には弱い部分がある。また短時間での対応が当たり前になると、エラー時の解析や改善対応に数時間かかることもあり、突発的なトラブルには脆弱になった。