改善したきっかけ
当施設は児童心理治療施設です。
入所児童の行動観察や服薬チェック等を昔は手書きで、今はパソコンで入力していました。
しかし、手書きは時間がかかるのはもちろんですが、パソコン入力でも、子どもと接してから時間が経ってから記録を入力するので、時間差があったり、トラブル対応に入ってしまうと、緊急時にうまく情報の共有ができていませんでした。
また、服薬等のチェックに関しても、後からチェック用紙やパソコン上でのチェック項目を見て、後から服薬させるのを忘れたとは気付くだけで、タイムリーに対応することができていませんでした。
服薬に関しては飲み続けることで効果を維持するタイプの薬を飲んでいる子どもが多く、飲み忘れはぜひとも避けたいところでしたが、一人で対応するのも限界がありますし、飲んでいるのに「飲んでいない」と言って、2回飲ませてしまうミスもありました。
・児童の行動観察をリアルタイムで記録したい
・服薬などのチェック漏れなくしたい
改善した方法
iPadを導入した
iPad
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各チェックをリアルタイムで対応出来るようになった
いくつかの事業所を見学させてもらって、職員一人一台タブレットを持つようになり、各児童に必要なチェック項目をすぐに確認できるようにしました。
さらに、タブレットでチェックをすればデータベース上でもチェック済みとなり、それを他の職員も確認できるので、薬を二度飲ませるミスもなくなりました。
トラブルに対して対応しやすくなった
また、トラブルなども、トラブルのいくつかのフォーマットを作っておいて、そこにチェックしていくだけで、トラブルの概要が把握できるようにして、可能な時には対応中にメモも入力できるようにしてもらいました。
業務時間を削減でき、児童と接する時間を増やすことが出来た
後から、一から記録を書いていく必要もなくなり、文章を書くのが苦手な人も、業務時間を削減することができました。
その結果として、事務的な作業にかかる時間が減って、その分、子どもと接する時間が増えたので、子どもが落ち着いて、トラブルも減って行きました。
評価
適切な改善だったが、一部解決しなかった
今後の目標
誰でも仕事が出来るようになる方法を検討する
職員個々のミスが減って、業務時間を削減することができたのが良かった。改善できなかった点としては、結局、タブレットへの入力忘れもあり、それは記録を書き忘れたりする人と同じ人だったので、仕事ができない人は出来ないままになってしまいました。
タブレットを使うことに対するデメリットを軽減する方法を検討する
また、タブレット自体にロックはしていても、タブレットを置き忘れたり、子どもに隠されたり、時には破損したりすることもあったので、タブレットを使うことに賛成派と反対派とではっきりと別れてしまった。反対派は業務自体へのモチベーションを下げた人もいた。