改善したきっかけ
当社は、家電の製造業を行っています。
私はITエンジニアとして、エンジニア間で共有する設計書や仕様書の作成、お客様向けの取扱説明書の作成を行っている。
そんな中、誤記や同じ意味でも異なる用語を用いることによるレビュー工数の増大に悩まされている。
誤記があると内容理解のスピードが遅くなるし、その文書の信頼性にもかかわるからである。
また、特にお客様向けの文書にそのような問題が有ると会社の信用にもかかわるため、ダブル・トリプルのチェックを行っているが工数が増えてしまう。
また、人間の目で見るには限界もあるため、どれだけ工数を費やしたとしても完璧な成果物にすることは難しいという状態である。工数と成果物品質とのバランスを図りながら、仕事を行う必要がある。
・設計書・仕様書・取扱説明書の作成において、異なる用語を用いることによる誤記が発生しやすい状況にある
改善した方法
ExcelのVBAの機能を利用した
Excel VBAとは
Visual Basic for Applications (VBA) for Office を使用すると、これらの作業を実行し、さらにそれ以上のことを実現できます。VBA for Office は、単純でありながら強力なプログラミング言語であり、Office アプリケーションを拡張するために使用できます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/overview/excel
はじめにさまざまな汎用のツールで要件を満たすことができないか検討を行った。
例えばWordの構成機能やフリーの校正ツールなどである。しかしながら、業界特有の言葉などはどうしてもチェックすることが難しく精度が求めるものと大きくかけ離れていた。
そこで、Excelのマクロを用いチェックすることとした。Word、PowerPoint、テキスト、PDFとさまざまな文書をそのままマクロに入力するようにした。
チェックする機構を設計し、誰でも使用しやすいように工夫をした
また、間違いやすい言葉をあらかじめ定義できるようにし、チェックする機構を設計した。
また、定義は簡単に追加・削除・修正できるようにUI面でも工夫を行った。ITリテラシーが低い作業者であっても容易にメンテナンス、使用できるように手順書なども動画付きで整備することとした。
評価
適切な改善ができ、課題は解決することができた
今後の目標
メンテナンスの手順の規定も作成していく
レビューという俗人化した作業をあらかじめ定義したルールに従ってマクロでチェックを損なう仕組みに変えたことで、品質が一定化した。また、工数削減効果も見逃せない改善点である。
ただ、言葉とは日々進化していく生ものである。
そのため、ルールの定義は日々増減や修正をしていく必要がある。これらのメンテナンスについての手順も規定することで誰がやっても同じ品質で勝つ、省力化できる仕組みを作ることができたのではないかと考える。