改善したきっかけ
私は非常勤の職員として教育に携わっています。
聴覚に障がいのある大学生が受講できるようになるには、音声情報を文字化しないといけないため、パソコンを用いて手入力で支援を行っていた。音声情報のスピードが速いため、 なり手がおらず長期的な人手不足が続いていた。
ユニバーサルデザインがすすんだ無料アプリを見つけ、音声認識ソフトとして活用することになり、関連した専用マイク(Amivoice)の導入も進めていった。
・人手不足を解消したい
・環境に適したツールを活用したい
改善した方法
Amivoice、UDトーク教育機関向け契約を導入した
Amivoice
AmiVoice は20 年以上のノウハウ・データが蓄積された高精度かつ高速の音声認識エンジン。日本語に対する高い認識精度に定評があり様々なシーンで使われています。
https://acp.amivoice.com/amivoice/
※ ITR 「ITR Market View : AI市場2021」 音声認識市場ベンダー別売上金額シェア(2015~2021年度予測)
UDトーク
「コミュニケーション支援・会話の見える化アプリ」UDトーク(ユーディートーク)へのホームページへようこそ!UDトークはコミュニケーションの「UD=ユニバーサルデザイン」を支援するためのアプリです。
https://udtalk.jp/
必要な人手を削減できた
ユニバーサルデザインがすすんだ無料アプリのUDトークは、スマホのアプリを中心に導入がすすんでいった。外部の紹介により関係職員が推薦して契約を行った。
契約費用も約40万円で割安である。1コマ90分を2人体制で行っていた支援を、UDトークと手入力で修正する人手で必要な支援人数を半分に減らすことができた。
誤認識・不具合が生じる
人手不足の解消につながったが、一方向の講義形式では音声認識がうまくいくことが多くても、ディスカッション形式では複数人数が話すことや、雑音が取り込まれ誤認識が増えていった。またBluetoothの干渉のせいか、専用マイクであるAmivoiceがうまく機能しないことがあった。
誤認識の修正はパソコンで行うためwifiの安定した通信環境が必要であったが、日によっては電波が弱い教室があったため、同様に不具合が起こりやすかった。
結局、人手が必要となってしまった。必要な人数を減らすことができたものの、大きな改善にはつながらなかった。
評価
適切な改善ができ、課題は解決することができた
今後の目標
メンタル面の気遣いを並行して行っていきたい
聴覚障がいの学生は学費を払っているのに、聞こえずに単位を落としてしまうという強い不安にかかられることが多い。人手で入力しているケースは、近くに支援をしてくれる学生がいるため安心感に繋がることもあるよう。
一方、機材を使って支援を行っている場合に、不具合が生じてしまうと、機器のフォローができる人間が近くにいないこともあって(支援をする学生でもペアリングし直すなどのフォローがしづらい)、不安が増すこともあるためメンタル面の気遣いは必要だった。